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棋力アップのヒント

将棋の形勢判断のやり方 4つの要素を押さえて勝ちにつなげよう

2020年3月25日

将棋盤の前で扇子を持って座る男性

将棋を指す上で、一つ大事な考え方が形勢判断です。

正しく形勢判断を行えるかどうかで、勝負の結果がガラッと変わってくるかもしれません。

そこで、この記事は、形勢判断を決めるポイントとやり方についてまとめてみました。

現局面を正しく把握して、勝負の流れを手繰り寄せていきましょう。

形勢判断とは?

開始局面の駒が並んだ将棋盤

そもそも形勢判断とは何か?というと、現局面は良いのか悪いのか、はたまた互角なのか、有利不利を判断することです。

将棋に限らないですが、現在の状況がどうなっているのか把握しておくことは大切ですよね。

現局面を的確に認識することで、今後どのように指していくべきか、指針を示すことができます。

たとえば、今の局面が不利な状況だった場合、普通に指していては勝つことは難しいです。

相手に間違えてもらうために、相手の読みにないであろう一手を出したり、攻防手を繰り出したり、とことん粘ったり、勝負手を放つ必要が出てきます。

逆に有利な場合は、奇をてらわず、着実に指し手を進めることで勝利が近づいてきます。

局面の有利不利が指し手にも影響を及ぼすので、形勢判断は大事なんですね。

形勢判断をする際の4つの要素

それでは、形勢判断の目安となる4つの要素について説明していきたいと思います。

玉の守り

1つめは玉の守りです。
王様の守りの堅さを指します。

金銀2枚の守りよりも金銀3枚の方が堅いですよね。

また、同じ金銀3枚であっても船囲いより美濃囲いの方が堅いですし、美濃囲いより穴熊の方が堅いです。

王手のかかりやすさ、かかりにくさも影響してきます。

場合によっては、玉の逃げ道の広さも影響することがあるかもしれません。

守りの比較例

美濃囲いと船囲い

振り飛車側が美濃囲い、居飛車側が船囲いですが、同じ枚数で守っていても美濃囲いが堅いので、玉の守りにおいては振り飛車側が良いということになります。

高美濃囲いと穴熊

振り飛車側が高美濃囲い、居飛車側が穴熊です。
同じ金銀3枚でも、今度は穴熊が堅く王手の掛かりにくい形なので、玉の守りにおいては居飛車側がポイントを上げていることになります。

駒の損得

2つめは駒の損得です。
駒得をしているか、駒損をしているかを判断します。

将棋は全体の駒数が決まっているので、自分が駒得をすれば相手の戦力をそぎ落とすことができますし、その逆もあります。

駒得をすればするほど大きくリードを広げることができるわけですね。

もちろん、駒によってその価値は大きく異なります。
飛車と角の価値が一番高く、次は金と銀、その次は桂と香、歩の価値は一番低いです。

ランク付けすると、およそ次のような感じになります。

飛角>金銀>桂香>歩

もう少し厳密には、

飛≧角>金≧銀>桂≧香>歩

という感じになります。

駒の損得は初心者の人にもわかりやすい要素ですね。

二枚替えの考え方

どちらかが一方的に駒得するということもありますが、何かの駒と交換ということが多いと思います。

また、同数交換ではなく、1枚と2枚の交換ということもよくあります。

その場合、たとえば

『角』と『金銀』の交換なら、『金銀』の方が価値が高い
『銀』と『桂香』の交換なら、『桂香』の方が価値が高い

という感じになります。

では、『飛』と『銀香』の交換ならどうなのかというと少し迷うところですが、基本的には選択肢が広がる二枚替えの方が得とされています。

ただし、『飛』と『桂香』の場合は、かなり微妙です。
同等か、二枚替えの方が少し損かもしれません。

金や銀を含む二枚替えなら、二枚替えが得と考えていいと思います。

また、歩の価値は低く、歩3枚で桂or香と同じくらいかなという感じです(歩は駒得計算に入れないこともあります)。

駒の損得の例

▲7八同金までの局面(居飛車VS振り飛車)

居飛車VS振り飛車の一戦。
後手が金香交換で駒得しています。さらに1歩得です。

形勢も後手が優勢から勝勢という状況です。

▲2五同歩までの局面(角換わり)

角換わりの一戦。
後手が桂得していますが、その代わりに先手は2歩得をしています。

駒の損得だけ見ると、後手が少し得をしているといえますね。

ただ、後手の玉の近くの2筋、3筋の歩がなくなっていてスカスカの状態なので、実際の形勢は先手が少しいいようです。

駒の働き

3つめは駒の働きです。
駒がどの程度働いているかを判断します。

特に飛車や角に注意を払いましょう。

働かずに遊んでいる駒があると、それだけ駒の効率が悪くなり、劣勢を強いられることになります。

駒がサボっていないか、目を光らせるようにしましょう。

駒の働きの極端な例

△8二銀までの局面(石田流美濃囲いVS穴熊)

かなり極端な例ですが、後手は穴熊ながらも、攻め駒の飛車が隠居してしまい全く働いていません。

一方先手は美濃囲いと石田流の美しい布陣です。
駒の働きの差は歴然としていて、先手が良いです。

手番

4つめは手番です。
次にどちらが指すのか、特に終盤戦において重要なポイントです。

手番が自分にあるのか相手にあるのかで、それがそのまま勝ち負けに直結することもあるんですね。

序盤はそこまで重視しなくても大丈夫ですが、中盤から終盤においては重視することをおすすめします。

序盤から中盤=駒得重視
中盤から終盤=手番重視

という考え方をしておくといいかもしれませんね。

手番の例

終盤戦の様子

上の局面は、どちらが手番かで勝敗がまるで変わってしまいます。

先手の手番であれば、▲6三銀△5一玉▲5二金△同金▲同馬で先手の勝ち。

後手の手番であれば、△9五歩▲8五玉△8四銀で後手の勝ち。

少し極端ですが、終盤において手番がいかに重要かがわかるかなと思います。

実際に形勢判断を行う

4つの要素『玉の守り』『駒の損得』『駒の働き』『手番』を総合的に判断して、現時点での形勢判断を行います。

この総合的に判断してというのが非常に難しいわけですが、序盤、中盤、終盤で、上記4つの要素の比重も異なってくるので、大まかな目安を記してみます。

形勢判断4つの要素 序盤中盤終盤での割合をグラフ化したもの

おおまかに上記のような割合にしてみるといいかなと思います。

グラフに関しては、何となくのイメージとして参考にしてみてください。

序盤

駒損をしないように、遊び駒を作らないようにしながら、守りを固めます。

手番についてはあまり気にしないで構いません。

中盤

囲いも完成したので、守りについては優先度を下げます。

駒得できるように、また、駒の働きを重視しながら駒組みや戦いを進めていきます。

終盤

終盤は、駒の損得はあまり重要視しません。
自玉の詰みに注意しながら、いかにして相手玉を詰ますかに注力します。

ただし、駒の損得を完全に無視するわけではなく、相手の王様を寄せることを最優先するという意味です。

この辺は判断が難しいのですが、駒損するということは相手に駒を渡すことになります。

その結果、自玉が先に詰まされてしまった・・・ということはよくあることですよね。

駒を渡しても大丈夫なら、駒損はいとわず攻めきることが大切になります。

判断に迷った時は、駒を渡さずに攻めるor駒を補充しながら攻める、のが安全です。

形勢判断を行った後は?

将棋盤(守りを固めた王様)

形勢が有利だと感じた時は、派手な手は極力控えて堅実な手を指すことを心がけましょう。

ただし、気持ちまで守りに入ってしまうと逆転されやすいのでバランスが大事。決めるときはズバッと決めることが大切です。

形勢が不利だと感じた時は、単調な手はなるべく避けて、局面を複雑にするような手をひねり出すようにします(難しいですが)。

相手に最善手を続けられたら逆転は不可能ですが、選択肢がいくつも考えられる手は、相手も悩ましくなります。

形勢は互角と感じた時は、少しでも優勢にする手はないか模索していきましょう。

将棋ソフトで感想戦をするのも有効

対局が終わったら、将棋ソフトを活用して一人感想戦をしてみるのもおすすめです。

対局中に自身で感じていた形勢判断と、ソフトの評価値に差異はあるのかどうか、確認してみることで形勢判断力を鍛えることもできると思います。

もちろん、ソフトの指し手を参考にするのもいいですね。

また、将棋クエストにはヒント機能(無料)がありますし、将棋ウォーズには棋神解析機能(有料)があるので、これらを活用してもいいですね。

おおいに活用して、棋力アップにつなげていきましょう。

まとめ

まとめ

最初はパッと見で形勢判断をするのは難しいと思いますが、少しずつ慣れていくものなのかなと思います。

また、正確な形勢判断をするのは有段者でも難しく、そこに固執する必要はないのかなと感じます。

形勢判断は大事なことですが、あまり気にしすぎるのも良くないですしね。

将棋をソフトを活用すると、「これで有利なのか!」という局面がちらほらあったりします。

日々勉強という感じですが、難しくも楽しくもある、将棋の魅力の一つなのかもしれませんね。

以上、『将棋の形勢判断のやり方』でした!

少しでも参考になれば嬉しいです。

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