渡辺名人への挑戦権を争う第79期A級順位戦は、2月3日に一斉対局が行われ、8回戦まで終了しました。
白熱した挑戦者争いはどうなったのか?
熾烈を極める残留争いはどうなったのか?
それぞれまとめてみました。
第79期A級順位戦8回戦の結果
7回戦終了時点での星取りは以下の通りです。
斎藤八段がトップを走り、豊島竜王と広瀬八段が星1つの差で追いかけます。
残留争いは、三浦九段と稲葉八段が厳しい状況です。
そして、対局結果は以下の通りとなりました。
- 豊島竜王と佐藤康光九段の対局は、佐藤康光九段の勝利。
- 羽生九段と広瀬八段の対局は、広瀬八段の勝利。
- 佐藤天彦九段と糸谷八段の対局は、糸谷八段の勝利。
- 三浦九段と菅井八段の対局は、菅井八段の勝利。
- 稲葉八段と斎藤八段の対局は、斎藤八段の勝利。
この結果、挑戦者争いは7勝1敗の斎藤八段、6勝2敗の広瀬八段の2人に絞られました。
最終局で斎藤八段が勝てば文句なしの自力挑戦。
敗れた場合は広瀬八段の結果次第でプレーオフとなります。
残念ながら、豊島竜王は挑戦者争いから脱落です。
一方で残留争いですが・・・
星取りが苦しかった三浦九段、稲葉八段、共に敗れたため、最終局を待たずにB級1組への降級が決まりました。
2人とも相当な実力者ですが、それでもこの成績で降級が決まってしまうところにA級順位戦の過酷さがありますね。
羽生九段、降級はまぬかれたが・・・
個人的に気になるのが羽生九段です。
広瀬八段に敗れたことで、この時点で3勝5敗。下から3番目の成績です。
順位が良いので降級はまぬかれましたが、順位が悪ければ最終戦で降級を争う対局となるところでした。
順位戦は1つの順位が大きく物をいうので、来期の順位戦の順位を1つでも上げるためにも、最終局は是が非でも勝っておきたいところです。
万が一負けてしまうと、来期は順位8位からのスタートになってしまいます。
4勝5敗で終えることができれば、糸谷八段と菅井八段の結果次第ですが、6位か7位でスタートできる可能性があります。
まとめ
ということで、第79期A級順位戦8回戦を終えた時点での戦況をまとめてみました。
A級順位戦最終局は2月26日、静岡県浮月楼で一斉対局が行われます。
斎藤八段がすんなり挑戦を決めるのか、それともプレーオフとなるのか、注目ですね。
広瀬八段は2連敗後の6連勝で、驚異の末脚を見せているのも不気味なところ。斎藤八段もプレッシャーはあるかもしれません。
どちらが挑戦者になっても名人戦初挑戦となるので、フレッシュな戦いが期待できそうですね。
追記
挑戦者は、8勝1敗の好成績をあげた斎藤八段に決まりました。
羽生九段は最終局に勝利しましたが、糸谷八段、菅井八段、共に勝利したため、来季は順位8位からのスタートになります。