将棋コラム

将棋ソフトの評価値の見方【形勢判断の目安に】

2020年3月21日

開始局面の駒が並んだ将棋盤

現在、誰でも将棋ソフトを導入できる時代になっていますね。

パソコンにインストールしたり、スマホにダウンロードするだけで、いつでも気軽に使うことができます。

将棋ソフトを導入した時に、誰もが目にすることになるのが評価値と呼ばれる数字です。

この数字で、形勢の良し悪しを判断することができるわけですが、仕組みがわからないとちんぷんかんぷんだと思います。

そこで、将棋ソフトの評価値の見方についてまとめてみました。

形勢判断の目安にしてみましょう。

将棋ソフトの評価値について

将棋ソフト解析中の画像(評価値、読み筋など)

上記は、将棋所によるelmoの評価画面ですが、読み筋と一緒に評価値が表示されます。

そもそも評価値とは何かというと、形勢判断の目安をわかりやすく数値として視認可したものになります。

この評価値は時間経過(ソフトが読み進める)と共に変動しますし、指し手によっても大きく変化することがあります。

数値は先手側から見た形勢を示しています。

プラスの数字が大きければ大きいほど先手が良いことになり、逆に数字がマイナスになればなるほど後手が良いことになります。

評価値の具体的な形勢判断の目安

※あくまで目安になります。

数字が二桁

数字が二桁の場合は、形勢は互角と考えてOKです。

100~200くらい

わずかに先手が良いものの、ほぼ互角の形勢です。

300~500くらい

先手が少し指しやすいです。
このままリードを保てば先手が勝てる可能性が高いですが、簡単に覆されるリードです。

500以上

先手が有利です。
人間的にも良いと感じることが多いでしょう。

1000以上

先手優勢です。
そうそうのことでは逆転されない数字です。

2000以上

先手勝勢です。
プロ的には逆転はかなり難しく、大きなミスをしない限り負けることはない差です。

数字の前にマイナス(-)がつけば、後手が良いということになります。

評価値の考え方

将棋盤(守りを固めた王様)

評価値は頻繁に揺れ動きますが、たとえば、40 → -10 → 22 → -17 と動いたとしても、気にする必要はほとんどありません。互角の形勢です。

評価値488だったものが、先手の次の指し手で-561になったという場合は、先手が悪手を指したことで、評価値が後手に触れたことになります。

振れ幅が約1,000になるので、そこそこの悪手ということが想定できますね。

また、数値がMAXになった場合(9999など)やMateという表示になることがあります。

この場合は、詰みがある、または詰みはないものの、確実に勝ちであることを示しています。

動画配信サイト(ニコニコ、アベマ)の評価値

ニコニコ動画やABEMAなどでも評価値は表示されますが、配信サイトによって形式が異なっています。

ニコニコ動画ではいち早く評価値を導入しました。
視聴者にわかりやすいよう、プラスの数字とマイナスの数字を両方表示しています。

ソフトとは異なり、優勢な方がプラスの数字、不利な方がマイナスの数字になります。

この方がわかりやすいかもですね。

一方ABEMAでは、数値による形勢判断は行わず、勝敗確率をパーセンテージで表示しています。

ABEMA将棋チャンネルの評価値バー

互角なら50%。形勢が動くにつれて先手60%後手40%、先手70%後手30%のように変化します。

将棋に詳しくなくても、現在の形勢が一目でわかりますね。

ABEMAの評価値は独特ですが、あくまで個人的な感覚で数値で表すと・・・

  • 60%=500くらい(有利)
  • 70%=1000くらい(優勢)
  • 80%=2000くらい(勝勢)

という感じでしょうか。

アベマの将棋画面(棋士名と残時間)

棋士名
赤色のバーは手番を表示
残り時間を表示

残り時間ですが、時間の隣に青色の縦バーが表示されています。

これは、1分単位の時間(0~59秒)を視覚的に表しています。

秒が減っていくにつれ、青色のバーが減っていき、黄色のバーが増えていきます。

青色が全てなくなり黄色で埋まると、持ち時間を1分消費して元に戻ります。

秒単位の消費時間もわかるのはいいですね。

ちなみに、時間の計測方法には、ストップウォッチ形式とチェスクロック方式がありますが、ストップウォッチ形式なら秒単位の消費時間はカウントされないので、一手指すごとに青色のバーは元に戻ります

一方で、チェスクロック方式の場合は秒単位の消費時間もカウントされるので、青色のバーは元に戻りません

ストップウォッチ形式とチェスクロック方式の違いについては、以下の記事も参考にしてみてください。

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将棋盤の前で腕組みをする男性
将棋におけるチェスクロックとストップウォッチは何が違うの?

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プロ棋士の解説と評価が異なるのはなぜ?

将棋盤とお茶

ニコニコ動画やアベマを観戦していると、プロ棋士の解説による評価と、将棋ソフトの評価値がかみ合わないことがあります。

たとえば、ソフトでは先手500点なのに、解説では「そんなにいいとは思えないんですよね」といったことが往々にしてあるんですね。

これは、

  • ソフトの方がより深く手を読んでいる
  • 人間が良いと思う感覚とソフトの感覚が異なることがある

といったことが考えられます。

将棋ソフトは、人間には思いつかないような斬新な手を読むことも多々あり、それが形勢判断に影響を及ぼすことがあるんですね。

また、ソフトは危険な変化でも平気で踏み込んだ上で評価を出しますが、人間的には「この変化は危険だから踏み込めない」と思う場面は数多いです。

難解な変化の中、一手の間違いも起こさず正しい手を指し続ければ確かに先手が勝てるが、少しでも読み抜けがあれば一気に逆転する。

そんな場面でも、ソフトは明快に先手良しとしますが、人間的には難しいという判断になることが多いです。

感情のある人間と感情のない将棋ソフト。

この違いが評価の違いを生み出している部分はあるかもしれませんね。

僕自身も、ソフトが良いとしても、自分の感覚では「?」となることは多いです(単に実力不足)。

逆転はなぜ起こる?

終盤戦が繰り広げられる将棋盤

たとえば、アベマの評価値で先手80%後手20%くらいになった場合、ソフト的には先手勝勢でほぼ先手の勝ちという局面です。

ところが、それでも大逆転というケースがたまに起こります。

これはどうしてでしょうか?

ひとつは、時間が切迫していることが挙げられます。

終盤戦はほとんど時間がないことが多いので、残り時間が少ないと、トッププロでも正確に読み切ることは困難を極めます。

もうひとつは、選択肢の多さや局面の難しさが考えられます。

いくつかの選択肢があってどれを選んでも勝ちという局面、または直線的なわかりやすい局面であれば、悩むことはあまりありません。

ところが、いくつかの選択肢があって正解は一つだけという場合、局面が複雑でどの手が正解か容易でない場合は大変です。

間違えれば一気に奈落の底に突き落とされる中、正解手を続けなければいけないプレッシャーは相当なものといえるでしょう。

まとめ

飛車先の歩を突くところ

ということで、将棋ソフトの評価値の見方についてまとめてみました。

今回の指針は、人によって多少考え方が違うかもしれませんが、ある程度の目安にしていただけたらと思います。

数値が2000、3000となった場合、通常逆転は難しいですが、それはあくまでソフトの世界。

ソフトではその数値でも、人間的には結構難解だったり、思わぬ落とし穴が隠れている局面があったりするんですね。

そのため、プロの世界でも起こるはずのない逆転がまれに発生することもあります。

観る側にとっては、おおいに盛り上がる要素になってますね。

ただ、将棋ソフトの評価が100%絶対に正しいとは言い切れないので、あくまで参考値として捉えるのがいいのではないかと思います。

評価値に振り回されすぎるのも良くないですよね・・・

自身の棋譜を読み込んで解析する分には、将棋ソフトは大いに活躍してくれると思います。

ぜひ活用して、棋力アップにつなげていきたいですね。

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