将棋は、勝ち負けがきちんと下されるゲームですが、場合によっては引き分けとなるケースもあります。
将棋で引き分けとなるケースにはどのようなものがあるか、その条件をまとめてみました。
特殊なルールとして、トライルールというものもあるので、あらかじめ頭に入れておくことをおすすめします。
将棋における引き分けの条件
将棋で引き分けとなるのは、千日手と持将棋になった場合です。
千日手とは?
同一局面が4回現れること。
同じ局面が何度も繰り返されるため、千日経っても勝負がつかないことからこの名前がついたとされています。
たとえば・・・
第1図(△9二飛まで)
第1図は、石田流対居飛車の一戦で、後手が△9二飛(1回目)と寄った局面です。
この後、▲8八角△7二飛▲9七角△9二飛(2回目)と進むと、第1図と同じ局面が現れます。
さらに▲8八角△7二飛▲9七角△9二飛(3回目)▲8八角△7二飛▲9七角△9二飛(4回目)と進んだ時点で同一局面が4回目となり、ここで千日手が成立します。
同一局面が4回現れた時点で勝負は引き分けとなり、プロ同士の対局であれば(先手後手を入れ替えて)最初から指し直しとなります。
連続王手の千日手は指した側の負け
ただし、千日手には一つ例外があり、連続王手の千日手は指した方の反則負けとなります。
連続王手とは、片側の指し手が全て王手である場合です。
たとえば・・・
第2図(▲5三馬まで)
第2図の局面から、仮に△2二玉▲4四馬△3一玉▲5三馬・・・と進めてしまうと・・・
先手の指し手が全て王手による千日手になるので、第2図の局面が4回現れた時点で先手の負けになります。
そのため、先手は途中で手を変える必要があります。
持将棋とは?
お互いの玉が入玉状態にあり、かつ、お互いの玉が双方ともに詰む見込みがない、駒を取れる状態でもない場合に、両対局者合意の元成立します。
持将棋が成立するには、盤上の駒、駒台の駒合わせて24点以上あることが必要です。
計算は、
飛車と角・・・5点
玉を除くその他の駒・・・1点
として行います。
合計24点以上ない場合は、持将棋とはならず負けとなります。
お互いの点数が24~30点で引き分け。
どちらかが31点以上あれば、その者の勝ちとなります。
たとえば・・・
第3図(▲1一龍まで)
第3図の局面ですが、お互いの玉が敵陣に入っていて、双方ともに王様を詰ます見込みがありません。
点数を計算してみると、先手は25点、後手は29点となり、お互いに24点以上あるので持将棋成立となります。
持将棋の場合も引き分け扱いとなるため、指し直しとなります。
27点宣言法と呼ばれるものがある
アマチュアの大会などでは、27点宣言法が採用されていることがあります。
これは、24点以上ではなく、先手28点以上、後手27点以上で引き分けにするというルールです。
その他、宣言した側が、
自玉が敵陣三段目以内にいる
敵陣三段目以内に、玉を除く自陣の駒が10枚以上ある
持ち時間がある
王手がかかっていない
という条件も満たしている必要があります。
第3図を27点宣言法に照らし合わせると、先手が25点、後手が29点なので、この場合は持将棋とならず、後手の勝ちとなります。
特殊なルール、トライルール
持将棋の派生的な特殊ルールとして、トライルールというものも存在します。
これは、先手であれば5一、後手であれば5九に自玉を移動させれば勝ちというルールです。
持将棋は両者合意の元で成立するものであることと、慣れないとわかりにくいという問題点があるため、作られたルールのようですね。
ネット対局の一部で採用されているので、該当のゲームを遊ぶ場合は頭に入れておくことをおすすめします。
ネット対局の持将棋の扱い
- 将棋ウォーズ
以前はトライルールが採用されていましたが、今は27点宣言法が採用されています。
判定は自動で行われます。
- 将棋クエスト
持将棋にはせず、トライルールが採用されています。
- 将棋倶楽部24
プロ棋戦と同じ、24点以上で持将棋成立になります。
- 81道場
27点宣言法が採用されています。
まとめ
同じ持将棋でも計算方法が違うというのは、特に初心者の方は混乱してしまうかもしれませんね。
通常の認識としては、持将棋=24点以上でOKだと思います。
プロの棋戦では、24点以上で持将棋成立です。
アマチュアの場合、大会ごと、ネット対局ごとでルールが異なるので、利用する際はしっかり確認しておくことをおすすめします。
特に将棋クエストではトライルールが採用されているので、知らないでいると突然負けになってビックリすることになるかも・・・?
とはいえ、持将棋になることはあまりないので、そこまで神経質になる必要はないと思います!