将棋コラム

将棋における上座と下座のルールについて【どちらに座る?】

将棋盤の前で腕組みをする男性

プロ棋士が将棋を指す上で、しばしば問題になるのが上座と下座です。

どちらに座るべきなのか一応のルールはあるのですが、そこはやはり人間同士。
ちょっとしたトラブルではないですが、譲り合いのようなことも発生することがあります。

そこで、今回の記事では、上座と下座とはどういうものなのか、そのルールについてまとめてみました。

段位については、2020年6月現在のものになります。あらかじめご了承ください。

そもそも上座と下座とは?

そもそも、上座(かみざ)と下座(しもざ)とは、どういうものなのでしょうか?

一般的には、

上座・・・目上の人やお客様が座る席
下座・・・目下の人やおもてなしする側が座る席

とされています。

将棋の場合、一般の対局は東京将棋会館や関西将棋会館で行われますが、部屋に入って入り口から遠い場所が上座になります。

タイトル戦の場合は日本各地の旅館やホテルを転戦しますが、この場合も入り口から遠い場所や、床の間に近い場所が上座となります。

【ルール】どちらの棋士が上座に座るか?

将棋盤の前で扇子を持って座る男性

日本将棋連盟で棋士の序列が定まっていて、基本的にはこの序列の高い者が上座に座ることになります。

序列の高い順は以下の通りです。

1.竜王or名人

竜王を保持する者と名人を保持する者が別の場合は、他に保持するタイトル数が多い方を上位とします。

それも同じ場合は、上のランクの(賞金額が多い)タイトルを保持している者を上位とします。

他に保持するタイトルがない場合は、棋士番号の少ない方の棋士が上位となります。

2.タイトル保持者

タイトル数が多いほど上位になります。

タイトル数が同数の場合は、上のランクの(賞金額が多い)タイトルを保持している者を上位とします。

3.永世称号資格者

永世称号は7つのタイトルで設定されていますが、それぞれのランク付けはありません。

両者が永世称号を取得している場合は、先に永世称号を取得した棋士が上位となります。

4.段位順

九段、八段、七段・・・の順番になります。

段位が同じ場合は、先にその段位になった者が上位となります。
・・・が、現実的には、棋士番号の少ない方の棋士が上位になることがほとんどのようです。

たとえば、藤井聡太七段と佐々木勇気七段は同じ段位ですが、昇段したのは藤井七段が早く、棋士番号は佐々木七段が少ないです。

先日行われた第79期B級2組順位戦の対戦では、棋士番号の少ない佐々木七段が上座に座っていました。

【Q&A】どちらの棋士が上座?

Q.豊島将之竜王名人 VS 渡辺明三冠

A.タイトル数は渡辺三冠が多いですが、竜王名人が上位になるので、豊島竜王名人が上座になります。

Q.永瀬拓矢二冠 VS 木村一基王位

A.どちらもタイトルホルダーですが、2つのタイトルを保持する永瀬二冠が上座になります。

Q.谷川浩司九段 VS 佐藤康光九段

A.どちらも実績充分の大棋士ですね。

段位は同じで、お二人とも永世称号を獲得しています。
(谷川九段は永世名人、佐藤九段は永世棋聖)

永世称号を獲得したのは谷川九段が早いので、谷川九段が上座となります。

Q.杉本昌隆八段 VS 藤井聡太七段

A.師弟対決!ですが、段位が上の杉本八段が上座になります。

しかし、そこは快進撃を続ける藤井七段。
藤井七段が何らかのタイトルを奪取した場合は、藤井七段が上座となります。

が、その時実際に藤井七段が上座に座るかはまた別問題ですね。

しばしば起こる譲り合い

和室で、駒袋と駒箱が乗った将棋盤と駒台

ということで、ある程度明確に上座の定義は決まっているのですが、とはいえそこは人間同士。

いくら決まり事とはいえ、年齢が上で実績も充分の先輩棋士相手に上座に座るのは・・・と考える棋士も少なくないようです。

2019年の第60期王位戦リーグのプレーオフ、羽生九段VS永瀬叡王では、上座に座るはずの永瀬叡王が下座に座っていたため、羽生九段が上座に行くよう促したという一幕がありました。

序列は永瀬叡王が上になりますね。

また、2015年の第64期王将戦リーグの羽生名人VS糸谷竜王(いずれも当時)でも、譲り合いが発生しました。

名人と竜王だと判断に迷うところですが、この時羽生名人は、名人以外にも棋聖、王位、王座を保持する四冠王だったため、普通に考えれば羽生名人が上座。

しかし、この時も、下座に座っていた糸谷竜王を「竜王だから」と上座に促す一幕がありました。(最終的に羽生名人が上座に座りました)

ニュースにならないだけで、こういったことは日常茶飯事で起こっていると思われます。

NHK杯戦の上座と下座

ちなみに、NHK杯戦などのテレビ対局では、上座、下座の概念はないようです。

NHK杯戦では、テレビ画面から見て、左側が先手、右側が後手と決まっています。

これは、先週は左側が先手だったけど今週は右側が先手だった、ということになると、視聴者が混乱してしまうかもですよね。

わかりやすく伝えるための配慮だと思われます。

ただし、駒箱を開ける、先に王様を置くといったことは、上位者が行っているようですね。

まとめ

将棋界では、上座を決めるにあたって、年齢はそこまで配慮されていないようです。

あくまで実力主義ということですね。

とはいえ、そこは人と人とのやり取りなので、特に若い棋士は気を使うことが多いようです。

自分が上座に座るのは申し訳ないと感じることもあるかもしれませんね。

規定で決まっていることではありますが、強制力があるわけではないので、最終的には本人同士で決めることになります。

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