将棋のプロ棋戦には、必ず持ち時間というものが存在します。
どんな公式戦でも、持ち時間無制限ということはありません。
限られた持ち時間をどう配分して使うかは対局者次第。
時間の使い方にも個性が出るので、観ている側も「残り時間は大丈夫か?」ハラハラしてしまうこともありますよね。
棋戦によって持ち時間は変わってきますが、この記事では、将棋界の8大タイトル戦と一般棋戦の持ち時間を一覧にしてみました。
8大タイトル戦の持ち時間の比較
名称 | タイトル戦 | 本戦 | 予選 |
名人戦(順位戦) | 9時間(2日制) | 6時間 | - |
竜王戦 | 8時間(2日制) | 5時間(残留決定戦のみ3時間) | - |
王将戦 | 8時間(2日制) | 4時間 | 3時間 |
王位戦 | 8時間(2日制) | 4時間 | 4時間 |
王座戦 | 5時間 | 5時間 | 5時間 |
棋王戦 | 4時間 | 4時間 | 4時間 |
棋聖戦 | 4時間 | 4時間 | 二次予選:3時間、一次予選:1時間 |
叡王戦 | 4時間 | 3時間 | 1時間 |
一般棋戦の持ち時間の比較
名称 | 本戦 | 予選 |
朝日杯将棋オープン戦 | 40分 | 40分 |
銀河戦 | 15分(使い終わったら1手30秒未満で着手、計10分の考慮時間あり) | 25分(使い終わったら1手30秒未満で着手) |
NHK杯テレビ将棋トーナメント | 10分(使い終わったら1手30秒未満で着手、計10分の考慮時間あり) | 20分(使い終わったら1手30秒未満で着手) |
将棋日本シリーズ | 10分(使い終わったら1手30秒未満で着手、計5分の考慮時間あり) | - |
新人王戦 | 3時間 | - |
YAMADAチャレンジ杯 | 20分(使い終わったら1手30秒未満で着手) | - |
加古川青流戦 | 1時間 | - |
気になることエトセトラ
ここから先は、持ち時間や消費時間に関する疑問や気になることをまとめてみました。
持ち時間の計測について
持ち時間の計測機器は、ストップウォッチとチェスクロックが併用されています。
以前はストップウォッチ方式が主流でしたが、近年はチェスクロック方式も増えてきて、チェスクロックが採用されているのは、
- B級2組以下の順位戦
- 竜王戦残留決定戦
- 王座戦
- 棋聖戦一次予選
- 叡王戦
- 新人王戦を除く一般棋戦
になります。
ストップウォッチ方式とチェスクロック方式の違いについては、以下の記事を参照してみてください。
将棋におけるチェスクロックとストップウォッチは何が違うの?
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持ち時間がなくなったら?
持ち時間を全て使い切ったら、1手1分未満で指すことになります(一手30秒未満の棋戦は除く)。
指すことができないと時間切れ負けとなります。
トイレに行きたくなったら?
対局中トイレに行くことはもちろん可能です。
お手洗いの時間は消費時間としてカウントされるので、終盤持ち時間がなくなって1分将棋になったら、トイレに行くのは難しいかもしれません。
そのため、持ち時間が少なくなってきたら、あらかじめトイレを済ませておいて、不測の事態に備えることになります。
余談ですが、NHK杯などのテレビ棋戦でも対局中にトイレに行くことはできます。その場合も、席を立つ様子が映し出されます。
食事休憩について
通常の対局は、東京や大阪の将棋会館で行われます。
将棋会館の対局は10時開始で、昼食休憩が12時~12時40分、夕食休憩が18時~18時40分となっています。
この間の時間は、消費時間にはカウントされません。
不正防止の一環で、休憩中を含め対局中の外出はできません。
食事は出前を取るか、あらかじめお弁当を用意するかになります。
対局者は、対局中に係の人が出前について尋ねてくれるので、そこで注文できます。
出前の料金は各棋士の負担となります。
タイトル戦(番勝負)の休憩時間
タイトル戦(番勝負)は各地を転戦しますが、もちろん昼食休憩があります。
- 竜王戦、王将戦、王位戦:12時30分~13時30分
- 王座戦:12時10分~13時
- 名人戦、棋聖戦、棋王戦、叡王戦:12時~13時
夕食休憩については、2日制であるのは名人戦(2日目)のみ。
1日制では王座戦があります。
- 名人戦:17時~17時30分
- 王座戦:17時30分~18時
まとめ
ということで、各タイトル戦の持ち時間についてまとめてみました。
棋戦によって持ち時間が違うので、楽しみ方も変わってきますね。
一番持ち時間が長い名人戦は、かなりじっくりとした戦いになりますし、持ち時間が短めの棋王戦、棋聖戦などは、スピーディーな戦いを楽しめます。