年別アーカイブ:2020年
『凌ぎの手筋200』の書評・レビュー
金子タカシさんの著書『凌ぎの手筋200』を実際に読んでみての感想レビューです。 本書では、将棋の守備力とそれに伴う精神力を鍛えることができます。 攻めは好きだけど守るのは苦手という人は多いと思いますが、そんな時に役立つ本だと思います。 ただし、対象の棋力は初段~四段レベルとなっていて、少し難しめの本になっています。 凌ぎの手筋200の書評・レビュー リンク 本書では、次の一手形式で合計200問が用意されています。 パッと見では受けがないような絶体絶命の状態の問題ばかりです。 そういった状況で、詰み筋や必至 ...
実戦詰将棋5手詰め【1】連続王手の千日手を回避しよう
実際に将棋を指して実戦で現れた形を出題しています。 5手詰めの問題です。 もしかしたら、今後同じような局面が登場するかもしれません。 よかったら、参考にしてみてください。 実戦詰将棋のルール できるだけ最短手順で詰ます 駒余りOK 問題 問題図:5手詰め 三間飛車VS矢倉の一戦。 局面は後手が△4二玉と逃げたところ。 一見簡単に詰みそうですが・・・? + ヒント +(クリックorタッチしてください) 普通に王手を続けると、連続王手の千日手になってしまいます。 千日手回避のため、3手目がポイントになります。 ...
石田流に組んで袖飛車で攻められた時の対策
居飛車側の石田流対策の一つに袖飛車があります。 石田流と同じ7筋に飛車を移動して、棒銀で逆襲するというもの。 これに端攻めも加わると、一筋縄ではいきません。 石田流に組んだ際、袖飛車で対抗されたときの対策についてまとめました。 袖飛車に苦しんでいる場合は、参考にしてみてください。 石田流に組んで袖飛車で攻められた時の対策 僕の実戦から(便宜上先後逆)。 三間飛車VS左美濃の一戦。 駒組みがある程度完成した第1図。 第1図(▲9七角まで) ここから後手は、△9五歩▲同歩△7四歩▲同歩△9五香(第2図)と仕掛 ...
将棋界で小学生プロ棋士誕生の可能性は?
囲碁界では、仲邑菫(なかむらすみれ)初段が10歳でプロになるというビックリなニュースがありましたが、将棋界で小学生プロ棋士が誕生する可能性はあるでしょうか? 現在の将棋界のプロデビュー最年少記録は、藤井聡太七段の14歳2ヶ月。 もちろん、今までに小学生棋士が誕生した記録はありません。 そこで、将来的に将棋界で小学生がプロ棋士デビューすることはあるのかどうか、その可能性を探ってみました。 将棋界の小学生プロ棋士誕生の可能性 通常囲碁界では、棋士採用試験を受験して合格するとプロになれますが、中邑初段は、英才特 ...
相振り飛車における銀冠の攻め方
相振り飛車の戦いになった時に、しばしば目にする銀冠。 美濃囲いから発展した囲いで、玉頭に銀を据え、堅いだけでなくその美しさも魅力ですよね。 この記事では、相振り飛車戦で銀冠に組まれた場合の攻め方の一例を紹介したいと思います。 よかったら、参考にしてみてください。 相振り飛車(三間飛車)戦の銀冠の攻め方 端を詰めている場合 それでは、僕の実戦を例に進めてみたいと思います。 相三間飛車の一戦(第1図)。 第1図(△8二玉まで) 後手は銀冠に組んできました。 ここから先手は▲7六銀と上がって銀を攻めに使っていき ...
将棋の中学生プロ棋士の記録をまとめてみた
将棋界史上最年少プロ棋士として、今も大きな注目を集めている藤井聡太七段。 中学生棋士としてマスコミでも大きく取り上げられ、将棋に関心を示す人も増えたみたいですね。 そこで、この記事では、過去に将棋界では何人の中学生棋士が誕生したのかをまとめてみました。 中学生でプロ棋士になるというのは本当に驚異的なことなわけですが、過去の歴史を紐解いて、その偉業を再確認してみましょう。 将棋界の中学生棋士 日本将棋連盟が中学生棋士として紹介している棋士は5人います(敬称略)。 ※データは2020年7月現在。 加藤一二三 ...
実戦詰将棋11手詰め【1】広い王様を詰ます
実戦形式の詰将棋11手詰めの問題です。 手数は少し長いですが、手自体はそこまで難しくないと思います。 空間把握能力(?)が問われるかもしれません。 実戦詰将棋のルール できるだけ最短手順で詰ます 駒余りOK 問題 問題図:11手詰め 攻めの駒は1一にいる馬だけ。 相手玉は広々としていて、一見とっかかりがないようにも思えます。 ただし、持ち駒は豊富です。 この豊富な持ち駒を生かして見事に詰ましてみましょう。 + ヒント +(クリックorタッチしてください) 相手玉は広いように見えますが、7四と9四の地点には ...
石田流と早石田の違いとは? 早石田の定跡も紹介
三間飛車の作戦の中に、石田流や早石田と呼ばれるものがあります。 どちらにも石田という名前がついていますが、何が違うのかよくわからないということがあるかもしれませんね。 そこで、石田流と早石田は何が違うのかを見ていきたいと思います。 石田流とは? まずは石田流ですが、初手から▲7六歩△3四歩▲7五歩と進めるものは全て石田流と解釈していいと思います。 石田流の中に、早石田の他、升田式石田流、石田流本組(第1図)、石田流7七角型(第2図)などがあるという感じですね。 第1図(石田流本組) 第2図(石田流7七角型 ...
羽生善治九段タイトル100期の可能性を探ってみた
※こちらの記事は、2020年3月に書いたものです。 2017年12月、通算7期目の竜王を獲得し永世七冠を達成した羽生善治九段ですが、翌年2018年7月に棋聖を豊島八段(当時)に奪われ、さらに12月には竜王を広瀬八段に奪われ、無冠に転落します。 当時は違和感のあった九段という肩書きも、今ではそこまででもなくなってしまった感があります・・・ 永世七冠の他に、羽生九段が達成できるかどうか注目されているもう一つの偉業が、タイトル100期ではないでしょうか。 現在タイトル獲得数は通算99期。 あと1つタイトルを獲得 ...
『終盤は駒の損得より速度』時には飛車も見捨てる!
駒得は勝利へと導くための大事な要素の一つですが、相手玉に迫ることが大切な終盤戦では、駒の損得よりも優先して寄せの一手を探し出すことが大切なことがあります。 駒得重視で指していたがために、気がついたら負けていた・・・ということはありませんか? 真の目的は、駒得をすることではなく相手玉を詰ますことですよね。 このことを忘れないようにしていきましょう。 終盤は駒の損得より速度 意味:終盤戦は、駒得を優先するのではなく、いかに相手の王様を詰ますかに注力する。スピード重視が大事であるということ。 問題 それでは例を ...