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『久保の石田流』の書評・レビュー【石田流全般を学べるおすすめ本】

2020年3月2日

久保の石田流

さまざまな三間飛車の変化を幅広くまとめた良書『久保の石田流』の紹介レビュー記事です。

2011年発刊のため情報は少し古いですが、石田流に関する幅広い情報を学べるので、

「石田流の入門書を読みたい」
「石田流のいろいろな変化を知っておきたい」

という場合におすすめの棋書です。

久保の石田流の内容

第1章 石田流の入り口

石田流の超序盤の変化を紹介しています。

避けて通れない△4五角問題にも触れています。

まずはこの章で石田流に慣れていきましょう。

第2章 升田式石田流の基礎知識

▲7六歩△3四歩▲7五歩△8四歩▲7八飛△8五歩でスタートする升田式石田流について解説しています。

▲7七桂型、▲7七銀型、▲7四歩の攻めなどについて詳細な変化が載っています。

升田式石田流は僕もよく指しています。

第3章 早石田定跡

序盤早々、▲7四歩と突っかける早石田定跡について解説されています。

早石田定跡は先手が良くなるというわけではないものの、互角くらいには戦えるとされています。

定跡を知らないと簡単につぶされるので、採用しても面白いのかもしれませんね。

第4章 鈴木流急戦

居玉のまま▲7四歩と仕掛けるのが鈴木流急戦。

△6五角に▲5六角と合わせる手に対して、3通りの変化を解説しています。

激しい変化ですが、実戦例も交えて詳しく紹介されています。

居玉のまま仕掛けるのは怖いですが、難しい戦いになります。

第5章 久保流急戦

早石田定跡と同じ出だしで▲7四歩と突く久保流急戦。

△同歩に▲同飛と取るのが久保九段の工夫です。

升田幸三賞受賞のきっかけとなった新手▲7五飛も紹介されています。

第6章 その他の石田流

この章では、

  • 後手棒金戦法
  • 後手左美濃
  • 後手居飛車穴熊
  • 4手目△5四歩

に対する対策が紹介されています。

どれも参考になる変化ばかりですね。

個人的に棒金対策は参考になっていて、今でもこの筋は使っています。

第7章 後手の石田流

▲7六歩△3四歩▲2六歩△3五歩とするとどうなるかが解説されています。

また、一時期流行した2手目△3二飛戦法についても詳しく変化が載っています。

△3二飛戦法に大きな影響を与えたとされる深浦王位VS羽生名人の王位戦についても触れています。

第8章 最新の石田流

この章では、▲7六歩△3四歩▲7五歩△8四歩▲7八飛△8五歩の局面から、

  • ▲7四歩△同歩▲4八玉
  • ▲7四歩△同歩▲5八玉
  • ▲7六飛

の変化について触れています。

升田式石田流は指したくないという場合は、こちらの変化が有力かもしれませんね。

第9章 実戦編

久保九段の実戦譜として、

  • 島朗九段戦(2手目△3二飛戦法)
  • 渡辺明竜王戦(先手石田流VS後手居飛車穴熊)
  • 羽生善治王将戦(先手石田流VS後手△6五歩早仕掛け)
  • 佐藤康光九段戦(▲7五歩に4手目角交換)
  • 谷川浩司九段戦(久保流▲7五飛)
  • 渡辺明竜王戦(▲7四歩△同歩▲4八玉)
  • 郷田真隆九段戦(7手目▲7六飛)

が簡単に解説されています。

まとめ

『久保の石田流』はこんな人におすすめ

  • 石田流全般について学びたい人
  • 急戦、乱戦が好きな人
  • 久保利明九段の棒金対策が知りたい人
  • 後手でも石田流を指してみたい人

 
一方で、対持久戦については基本的なことしか書かれていないため、石田流本組みにして、対左美濃、対居飛車穴熊について詳しく知りたいという場合は不向きです。

それ以外の石田流については詳しく学べるので、手元に置いてじっくり学びたい一冊になっています。

石田流を初めて学ぶ最初の1冊としても適していると思います。

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