通常の詰将棋とは異なる、実戦形式で棋力アップを目指せる5手詰めの問題です。
今回の問題は寄せで頻繁に出てくる手筋なので、まだ習熟できていないという場合は、この機会にぜひ覚えてみてください。
実戦詰将棋のルール
できるだけ最短手順で詰ます
駒余りOK
問題
問題図:5手詰め
行き詰まる終盤戦。
後手が△5八桂成と迫ってきた局面。
後手玉は腹銀で身動きが取れない状態です。
逃がすことなく即詰みに討ち取りましょう。
解答
再掲問題図:5手詰め
詰将棋解答
▲9三香△同桂▲9一銀成△同飛▲8二と(詰め上がり図)までの5手詰め
詰め上がり図(▲8二とまで)
初手は、桂馬の利いているところに香を打ちます。
仮に香を打たずに▲9一銀成とするのは△9三玉(変化図)と逃げられて失敗します。
変化図(△9三玉まで)
以下▲9二成銀と捨てても、△同玉▲8二と△9三玉▲8三とで詰み!と思いきや、8九に龍がいるので△同龍と取られて詰みません。
問題図に戻り、▲8一銀不成とするのは、△同飛と取られて詰みません。
ということで、初手▲9三香は絶対の一手。
△同桂(途中図)と取らせることで、玉の逃げ道を閉ざす退路封鎖の一手になっているんですね。
途中図(△9三同桂まで)
ここで、8二の銀がいなければ▲8二とで詰むということがわかれば、銀を捨てる手が思い浮かぶと思います。
ついさっきまでは相手玉を逃がさない不可欠な駒だったのに、いきなり邪魔駒になってしまうというのも、人生の縮図を表しているようで切ないですね(?)
▲9一銀成と捨てて、△同飛でも△同玉でも▲8二と(または▲8二成銀)までの詰みとなります。
同じようでも、▲8一銀不成とするのは△同飛と取られて、8二の地点に飛車が利いてくるので失敗です。
まとめ
ということで、退路封鎖と邪魔駒消去の手筋を学べる5手詰めの問題でした。
今回のような形は、実際に将棋を指していても頻繁に出てくる手筋だと思います。
駒を捨てて相手玉の逃げ道を封鎖する
終盤で絶対に役立つスキルなので、ぜひマスターしておきましょう。